考えの変化
2日目(5/12)と3日目(5/13)は同じおウチへ。
20名近い人員でバリバリ頑張ったけど、やっぱり1日じゃ終わらない。…というか、2日かかっても完全には終わらなかった。
4部屋分の床板を外し、釘を抜き、床下のヘドロ混じりの泥を出しまくり、土嚢袋に詰めて表通りの集積所になっている空き地へネコ車でひたすら運ぶ。
外に置き去りになっている膨大なゴミも表通りの空き地へ運ぶ。ゴミといえども、大切な物が混じっていることもしばしば。今回はおばあちゃんの遺影が出てきたりしました。
お弁当を届けがてらお昼から合流した、チームの炊き出し班であるお母さん2人は水をかぶってしまった建具の枠を丁寧に洗浄。これは女性が最適な作業。ピッカピッカにしてくれました(感謝!)。
『力仕事出来ないから…』と躊躇している女性も多いと思いますが、全然OK。女性ならではの作業も沢山ありますよ。お話聞く事だって、泥をかぶった物の洗い物だって、お掃除だって。それに男性ばかりのチームより和むしね(私が居て和んだかどうかはわかりませんが(笑))。
作業中は必死にやっているので写真や動画は撮れませんでしたが、“そうそう!作業内容はこんなだったよ”という動画を発見したので下に貼っておきます。
この動画を見たとき、自分が行ったところかと思うくらい家の雰囲気も作業内容も似ていて驚きました。この動画は4/9のもののようですが、その頃と同じ作業を昨日も今日もしたってことは、1ヶ月経ってもまだまだこういう家がいっぱい残っているってことですね。
この内容、どう頑張っても手作業でしか出来ないものばかり。
周囲には同じようにボランティアチームが入っている家も何軒かあるけど(2軒お隣には群馬県のチームが入っていました)、手付かずの家もたくさんありました。
依頼者のお宅。これは3日目の作業終了間際の写真ですので、だいぶ外見が片付いているように見えますが、最初は流れ着いた物や外に出された家財などで大変な状況でした。
1階は、人の背丈近くまで浸水していてめちゃくちゃになってしまっているので、2階で生活しておられます。
1階にあるトイレとキッチンだけはなんとか使えるようになっていました。
違う角度から。
右手のゴミの山は最初の半分位になったんですよ。横たわっているふすまの手前にはヘドロの土のう袋が山のようにつんであったし。
依頼者の敷地内しか片付けられないので、その向こう側は手付かずのままにせざるを得ませんでした。
ゴミ山の奥にある青い屋根の倉庫は、もっと手前にあったらしい。近くにあったフェンスの位置もかなり動いてたし。
最後の休憩中に撮った写真。
これでもかなりキレイになったのだけど、このあとさらに頑張って家の前に積んであるモノも必要かどうか確認しながらぜーんぶ片付けました。ここにあったもののうち捨てないものは全て手洗いしました。
地面が見えたら超スッキリ!(写真とればよかった…)
そして今日のMVP。
キッチンが使えなくなっちゃうことと、他の部屋(和室)と違いフローリングで床板を剥がすのが困難だったため、キッチンの床は剥がしませんでした。そのため、若い彼は床下収納庫を外して地下に潜入し、真っ暗な中、何時間もヘドロをかき集めてくれました。
作業中、おばあちゃんのお位牌も見つけちゃったりして…いい仕事してるねぇ。
…出かける前は、みんなが自分に出来ることをすればいいんじゃない? そう思っていました。
でも、町の風景や頑張っている人達(被災者の方だけでなく)を見たら考えが大きく変わりました。
誤解や反論を恐れずに言うと、無理してでも現地に出かけた方がいい。そう思います。
募金するのも支援、自分の生活やお仕事をしっかりすることも支援。思いを寄せる事も支援。チャリティーのライブ、フリマ、よいなーと思います。
でも、それにプラスして被災地へちょっと無理してでも行って欲しい。1日でもいい。人手がなければ終わりません。
私が見たのは石巻のほんの一部。石巻全体では?他の町は? もう少ししたら梅雨になります。暑い夏もすぐそこです。
私のように行きたい気持ちをもっていても踏み切れないでいる人、頑張って!
個人で行ったら迷惑なんてことはないし、初心者は役に立たないなんてことは全然ありません。
女性も、年配の方も大丈夫(体調管理は出来ないといけませんが)。
調べてみればいろんなトコロに沢山のニーズが転がっています。
ツアーだってあるし、参加しやすいカタチで参加してみてはいかがでしょう。
このレポを読んで1人でも行ってみようかな?と思っていただけたら嬉しいです。
自慢話をしているようで若干気が引けるのですが、会う人会う人にも話しています。どこかでその話をまた聞きして行ってみようかと思ってくれるかもしれないから。
『大変だったでしょう?』とか『えらいね』とか、『頭がさがる』とか言われましたが、そんなたいそうなことはしてきていません。大勢の人が現地に入って、『行ってきたの? 私も行ってきたよ』位になったらいいな。
私たちも、また行けたら…と相談しているところです。
もし行ってみようかな…と思っていただけた場合は、以下の各ボランティアセンターのサイトなどで最新状況をご確認くださいね。
■ 宮城県災害ボランティアセンター
■ 岩手県災害ボランティアセンター
■ 福島県災害ボランティアセンター
行ってこられたんですね。
実際に体感してこられたレポートは僕の考えにも響いてきます。
2ヶ月経ったしもういいだろうとか、ないですよね。
なんとか僕も行けるようにしたいと思います。
お疲れ様でした。私も先週一週間ボランティアをしに宮城県山元町に行ってきました。おっしゃる通りまだまだ人手が足りないですね。床の清掃と泥出しをしてきたそうですが、壁はどうなっていましたか?私は石膏ボードの中、特にグラスウールが心配です。家の中に濡れた布団をびっちり入れているようなものですから、、、。現地は何か対策をしていましたか?山元町は何も対策をしていなかったのでボランティアセンターの人に対策をお願いしてきたんですが、他の地域はどんな感じなのでしょうか?
>>まさまこさん
お久しぶりです&読んでいただいてありがとうございます。
2ヶ月経ったのに、まだまだ泥だらけの家が沢山あって、人が入れないところがたくさんあって…。聞いてはいたけど、実際に見てみると衝撃的でした。
しかも、沢山の人が2ヶ月必死で頑張ってこの状態なのですから。
比較的近いところに住んでいながら、今までじっとしていたことを多少なりとも後悔しています。私たちもまた出かけようとネットで情報収集中です。
蛇足ですが、もし行かれる場合は体調に十分お気をつけ下さいね!
>>ガオさん
お久しぶりです!
ガオさんは、山元町に行かれたのですね。
山元町・亘理町あたりはメディアによる報道も少なくボランティアも少なめ…とどこかで見て、気になっていた地域です。1週間行かれていたとのこと、個人でお出かけになったのですか?
壁の中のグラスウール、確かに気になりました。
石巻市でも見た・聞いた限りでは特に対策はとられていないようです。
ボランティアの作業内容でも、場所によっては床剥がしもダメ(ええー?って感じですが)ってところもあるようです。
一応大工さんには声をかけている家が多いようなので、依頼主さんに大工さんに言ってみるようアドバイスしてこれば良かったかもしれないなーと思います。
他のボランティアの活動を見てても、壁までやっているところには出会わないので、専門家がVCなどに(VCでよいのかもちょっと…ですが)なんらかのアドバイスをしたほうが良いのかもしれないですねー。ただ、壁を剥がすとなると素人のボランティアさんには難しいかも。
このままだとあちこちの家が床だけ直して終わっちゃいそうな雰囲気です。
ハイ、個人で車中泊しながら活動してきました。建築を生業としているということで、グループリーダーになって石膏ボードをはがしたり、床はいだりしてきました。夏を迎えるまでに何とかしないとカビや雑菌天国になってしまって、住むのはもちろんボランティア活動にも支障が出るんじゃないかと思っています。公的なプレスリリースがないと、これから出てきてしまうであろう悪徳リフォームの被害が増えないか心配しています。被災者さん達が正確な情報がわからないのが問題なんじゃないかなと。知っていたら、教えてもらえていれば対処できたのに、ってのが一番悔しいのではないでしょうか。そんな訳で6月の第2週にまた被災地行ってきます。PINさん達とどこかの被災地でお会いできたらうれしいなって思って活動続けマース。
pinサンたちのブログはいつも見てます。
ガオさんのおっしゃるように、建築の視点からボランティア作業のポイントを整理することも大事だなぁと思いました。
僕らはかなり離れた場所に住んでいますので、そういうことを現地へ伝えることも一助になればと、考えることにします。
現地へ行くには、子供のこともあり、いつ行けるか見通しは全然立ってません。
今できることをやりたいと思います。
>>ガオさん
次回は私たちも個人で出かけるかもしれません。
インコと犬がいるので2泊3日位にしなければならないのがツライところです…。
どこかでお会いできるかもしれないですね。
ガオさんリーダーの元での作業を楽しみにしています(笑)。
今日も結構暑い日だったから、現地は大変だろうなーと話していました。
>>まさまこさん
早急な対応が必要なのだけど、被災しているおウチが多数かつボランティアや職人さんの数は少ないです。
『後のためにはこうしたら良い』などの、細かな情報が行き届いていないような感じですねぇ。
>今できることをやりたいと思います。
うれしいコメントありがとうございます。私、勢い込んで『ちょっと無理しても被災地へ』って書いちゃったけど、実際には本当に無理な方も沢山おられると思います。
一番言いたいのは、『まだまだ大変な状況です。被災地のこと忘れないで!』ということかもしれません。